大きな目標を成し遂げたければ「仲間」を集めよう – 連載「プロジェクトとはRPGである」ep.3

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前回の記事で、主人公ピーターとスティーブは王様に許可を貰って魔王を倒すための冒険を始められるようになりました。しかし、たった2人で魔王を倒すのは難しそうです。本当に魔王を倒すつもりなら、一緒に成長して目標を達成してくれる仲間が必要でしょう。

実際の開発プロジェクトでもスタートアップでも、最初のベースを作っていける信頼できるメンバーはとても重要です。今回のテーマは「仲間を集めること」です。

 

目次

  • どこで仲間を探せばいいか
  • 大事なのはアイディアと情熱
  • 最初の意識合わせは念入りに

 

 

どこで仲間を探せばいいか

アイディアから計画を育てるまでの段階で重要なポイントとして、「話を親身に聞いてくれる人」を見つけることが重要だというお話をしました。

プロジェクトを進めるには、雪だるまを作るように、小さなアイディアや計画をたくさんの人に話して、それを一緒に大きくしてくれる人を探すのが大事なのです。

 

スタートアップでは、個人で創業するよりも複数のメンバーで始めたほうが成功率が高いという調査があり、共同創業者を誰にするかはとても重要なテーマだと言われています。

また、会社員として始めるプロジェクトでも、「この新規事業はあの人をスカウトしたいんです」という提案は結構人事に通ったりするので、社内でメンバーを探すことがプロジェクト初期には重要です。外注先として他の企業やフリーランスを探すこともあるでしょう。

 

社外で人を探すときに出てくる問題としては「市場」の問題があります。多くの企業が高度なプロジェクトを進めようとしている中、スキルを持っている人材は常に不足しています。また、企業間の奪い合いも熾烈です。つまり、「お金を出せば人が集まる」という状況ではありません。

しかし、プロジェクトは冒険的であればあるほど、スキルを持つ人を必要とします。このジレンマをどうすればいいか。

 

実は、多くのスキルと経験のある人達は、金銭的な条件に加えて「仕事を通じて自分の人生を意義あるものにできる」という感覚を求めています(こうした感覚が得られる仕事はよく「楽しい仕事」と言われます)。

 

自分のアイディアを温めている段階でいろんな人に話していれば、たくさんの意見が集まってどんどん計画として面白そうなものになっていっているでしょう。つまり、その「面白さ」に共感と理解を示してくれる人に自分が用意できる役割をオファーすればよいのです。

アイディアや計画を話す場所は同僚との飲み会の場かもしれませんし、久しぶりに連絡を取った友達かもしれませんし、業界のイベントやセミナーの交流会かもしれませんし、ソーシャルメディアでの繋がりかもしれません。

プロジェクトに限らず恋愛などでもそうですが、「出会い」はどこにあるか分からないので、いろんなところに出かけて行って、自分のアイディアと計画を話していくことがとても重要です。

 

 

大事なのはアイディアと情熱

冒険的なプロジェクトが誰の目から見ても「成果を上げている」と分かるようになるには、かなりの時間が必要です。そして、ほとんどの新規事業やスタートアップはそこに行くまでに潰れてしまいます。

まだ成果も上げていないプロジェクトの初期から労力を注いでもらうには、やはり最初のアイディアと計画を作ってきたリーダーに情熱がないと人は付いてきてはくれません

例えば、仕事で請け負ったシステム開発の案件でも、リーダーがどれだけ一生懸命に関係者と打ち合わせをして難しい要件を取りまとめているか、どれだけ一生懸命考えて計画を立てているか、というのはある程度経験のあるエンジニアにはすぐに伝わるものです。

その時点で「ああこの人、本当は成功させるつもりがないんだな」とか「ああ、上から言われてやってるんだな」と思われると、本当の意味での信頼関係は作れず、「まぁ給料もらってるからその範囲内で怒られない程度にやりますよ」という生煮えの意識でプロジェクトが進んでしまいます。

こうしたチームでは、どんなにイージーな案件でも設計や詰めの部分が甘くなることが多く、プロジェクトを成功させるのは困難になってしまいます。

リーダーは情熱を持ってプロジェクトを計画して推進していくこと。やはりこれが何よりも重要です。

 

 

最初の意識合わせは念入りに

人が物事に同意してくれるということはどういうことかというと、「共感」と「理解」を得られるということです。

そして、同じアイディアと計画を話したとしても、共感と理解は人によって違うので、そこに甘えないことがとても重要です。例えば、同じスタートアップをやっていて創業メンバーが3人いたとしたら、その3人とも別の期待と夢を持って仕事をしているのです。

人は誰でも自分自身の人生設計や価値観を持っていて、そこにマッチしているからプロジェクトに参加してくれるのであって、誰かが仲間にそれらを押し付けてしまうと、たちどころにうまくいかなくなるのです。

 

実際、スタートアップやプロジェクトでも「チームメンバー内の喧嘩」が原因でダメになってしまうことは非常によくあります。アメリカの調査では65%という数字ですが、これはおそらく別の理由にすり替えられている例も多いと思われ、個人的に見ている例では、9割以上がこうした喧嘩別れで終わっている印象を持っています。

そして、チームメンバー内の喧嘩がなぜ起きるかというと、プロジェクトがしんどい状況になった時に(これは必ず起こります)、「俺はこんなに頑張ってるのにお前はどうなんだ!」みたいな形で誰かを責めることが原因で起きるのです。

特に、未熟なリーダーは「自分とメンバーは同じ気持ちでやってくれているはず」という甘えからこれをやりがちで、自分で自分のプロジェクトを破壊してしまうケースもよく見かけます。

 

人生設計や価値観を押し付けず、しんどい時に犯人探しをしないようにするには、「チーム内で誰が何をやって、成功したら誰がどういう利益を得られるのか」ということを明確に共有しておくことが重要です。

ここが共有できれば、チームとして形を作っていくことができます。いよいよ、プロジェクトのスタートです。

 

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Masayoshi Hashimoto

「フロントライン通信」編集長。業務経験は15年を超え、メディアサイトから数千万人規模の会員システムまで、10社で80件以上のプロジェクトのマネジメントを実施。2011年にスタートアップを立ち上げ、多くの人がプロジェクトをより成功できるためのツール「マンモスプロジェクト(Mammoth Project)」を開発。世界中の現場で戦うチームを応援することを人生の使命とする。

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