スタートアップ国際イベント参加のススメ – Web Summit 2015 に行ってきたよ

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Web Summit って知ってます?

アイルランドの首都・ダブリンで開催されるスタートアップ/テクノロジー系の国際イベントなのですが、参加する業界関係者(起業家や国際的な大企業の幹部、投資家など)がなんと3万人以上も一同に会するという、日本ではちょっと想像しにくい規模のイベントなのです。

たまたまこれにスタートアップとして参加してみて「すごくよかった!」ので、今後日本のスタートアップで参加する人のために情報をまとめておきたいと思います。

街としてのダブリンもとても良かったので、こちらも簡単にご紹介します。

 

Web Summit とは

上に書いた通り、Web Summit は世界中(特に欧米)のスタートアップ関係者が一同に会する巨大なイベントです。

開催が始まったのは2010年で今年は5年目なのですが、どんどん参加者が増えて、開催期間中はダブリンの街が参加者でジャックされた感じになる、すごく大きなイベントです。

参加者も、本当にウチみたいな小さなスタートアップから日本でも誰でも知っているような国際的大企業のお偉いさんまで、みんながフラットにお祭りしている感じがとても楽しいです。

 

講演のスピーカーも錚々たるメンツです。

Web Summit | SPEAKERS

https://websummit.net/speakers

 

弊社の参加の動機は、「ちょうど開発してきたサービスをリリースできるところまできたので、今後のマーケティングのために偵察をしてみよう」というのが主たるところです。

 

インターネットは世界を狙えるビジネスなのに、日本にいると日本市場とアメリカ市場の情報ぐらいしか手に入らないので、直接ヨーロッパ市場の感触を調べてみよう、ということです。

自分たちが東京で作ったWebサービスが実はフランスで一番ウケている、とか。そういうのいいじゃないですか。

で、やっぱりサービスはユーザに受け入れられてナンボなので、直接顔を見て説明して反応を見るのがベストだと考えたのです。

 

websummit_jacked

(会場近くの街角。飲食店の料理は全て食べ尽くされます)

 

Web Summit 参加まで

Web Summit のことを知ったのは、実は今年の参加募集が始まってからで、facebook の広告を見たのがきっかけでした。

「なんだこれ、楽しそうだな」と思って、ダメ元で申し込んでみたらブース枠出展枠で行けた、というわけです。

 

経緯を簡単に書くとこんな感じです。

 

  1. 参加募集期間中(9月ぐらい)にWeb上で簡単に事業の情報を記載して申し込む
  2. Skype で主催者と事業・サービスについて質疑応答を行う
  3. 選考を経て結果が通知される
  4. 必要な参加費をオンラインで支払う
  5. 企業と参加者の情報を登録する

 

結構ハードルが高かったのは、2のオンライン質疑応答ですね。

その頃はあまり英会話に慣れていなかったので、アイルランド訛りの英語が聞き取りづらくて困りました(笑)。

いくつか簡単な質疑応答で、「英語の資料あるか?」と訊かれたので、ちょうど手元に翻訳してあった事業概要を送ったら、選考をパスできたのでした(ブース枠で参加できるのは応募数の1/10だそうです)。

ちなみに、この時以外にも「英語の事業概要を送って欲しい」と言われたことが何度かあるので、スタートアップでも早めに事業概要の英語版を作っておくと何かと便利です。

(英語翻訳のサービスはクオリティに差がありすぎるので、選定にはよく気をつけましょう。ヘタすると大学生が直訳しているようなレベルのものを平気で出してくるところもあります。友人がやっている翻訳会社は納期と質ともに高いレベルなのでもしよかったら問い合わせてみてください。)

 

あと悩んだのは4の参加費のところでした。

ブース枠で参加できるスタートアップ企業は4人が3日間で参加できるチケットが約26万円(一般企業参加枠はこれの約10倍)で、決して安いとは言えない金額なのです。

準備に動いてくれるスタッフの数や講演やイベントの充実度から見ると決して高くはないのですが、やっぱり「この金額で AdWords どれだけ打てるかな…」とか考えてしまうのがスタートアップというものです(笑)

とは言え、やはり Web Summit のような機会はめったに得られないので、参加してみることにしたのでした(結果としてはこの判断は大正解だったと思っています)。

 

面倒なことは主催者側が大体やってくれるので、あとは宿とエアチケットの手配をすればOKです(オンラインのメンターアワーなどもあったのですが、諸々忙しくて時間が取れませんでした)。

 

会場の様子など

Web Summit は3日間です(今年は11/3-5で、前日までに到着するように言われます)が、この期間は本当にダブリンの街がスタートアップ関係者だらけになります。

ダブリンの人口が約57万人だそうなので、約5%の増分ということですね。

会場も熱気に溢れていて、かなりのお祭り気分です。

websummit_inside

今年は IoT(ハードウェア系) や Fintech(金融情報系)のスタートアップが目立ちましたが、他にもいろんなサービスが出展されていて、見て回るだけでもかなり楽しめます。

ブースは毎日入れ替わりなので、飽きることはありません。

 

参加者は大体8割ぐらいが北アメリカ・ヨーロッパ、残りの2割ぐらいが中南米・インド・アフリカ・アジア系といった感じでしょうか。

日本人は4人ぐらいしか見かけませんでした。

 

あと、年齢性別は日本だと30-40代男性に偏っているのですが、年齢層はかなりバラバラで(小学生ぐらいの参加者もいました)、女性も半分とは行きませんが3割ぐらいはいました。

 

目玉となる講演では、実際にスタートアップを大きくしてきた人達が直接自分の経験を話していたりするので、とても参考になります。

Web Summit | Startup Summit

https://websummit.net/summits/startup-summit

 

自分が聴いた話で印象に残った言葉を挙げてみると、下記のような感じです。

  • 本当に大きく成長するサスティナブルなビジネスを作りたければ、自分のチームを大切にしろ
  • スタートアップをやる上で何よりも大事なのは情熱だ
  • サービスを売り込むのではなく、顧客のどんな問題をどう解決するかを伝えろ
  • 上場で何よりも大事なのは企業価値(時価総額)でははなく、顧客やVCなどとの交渉の「透明性」だ
  • 「準備が出来てから始める」ことはできない、走りながら準備して成長しろ

 

日本にいると、どうしてもスタートアップ系の情報は「どこそこがいくら資金調達した」みたいな報道や、「UXはこう作れ」のようなテクニックの話、「git はこう使え」みたいなテクノロジーの話に偏ってしまうのですが、実際に世界規模で成功している人達が強調するのは考え方やポリシーみたいなところで、そのあたりをすごく情熱的に語っていたのが印象的でした。

日本では、ともすればこうした話は綺麗事として片付けられがちですが、やはり姿勢やポリシーの部分で間違っていると大きな失敗に繋がりますし、後から修正するのはすごく大変なのです。そのことを経験でよく知っている人の話は重みが違いました。

(もちろんテクニックやテクノロジーの話も大事で、専門家向けにそういう講演もありました。)

 

ブースに出展して分かったこと

ブースは会期中に1日、1m幅のスペースが与えられます。そこで一日突っ立って、通りがかる世界中の業界関係者といろいろ話すわけです。

 

モニターは主催者が貸してくれるので、事前に申し込んでおきましょう。

やっぱりモニタでサービスを映しておくと、人の注意を引く割合が全然違います。

 

中にはほとんどトークだけで済ませてしまうイケイケな人達もいましたが、おそらくあまり日本人向きではないでしょう(笑)

なので、こういうブース出展をする際には少なくともモニタに映せる(IoTの場合は手に取れる)初期プロダクトはあったほうがいいということですね。

 

websummit_ourbooth

(会場の人はみんなオープンマインドで話しやすかったです)

 

ここでおそらく多くの日本の起業家が気になるのが「英語」だと思いますが、下記の点を踏まえておくと結構何とかなります。

  • 簡単なサービス紹介の文章を翻訳して、話せるよう繰り返し練習しておく
  • オンライン英会話サービスで英会話に慣れておく(自分のオススメは DMM英会話です)
  • あとは気合!

スタートアップ業界の標準語はやっぱり英語ですが、ヨーロッパでも必ずしもみんな英語を喋れるわけではありません。

自分が話した相手も、アメリカ、ブラジル、フランス、ラトビア、イギリス、ドイツ、台湾、アイルランド、南アフリカなど、様々な国籍の人々でした。

 

アメリカ人なのにブースで一人、ポツーンと立っている人もいれば、非英語圏出身でたどたどしい英語でガンガン話しかけて情報収集している人もいました。

無理にフレンドリーになる必要もないと思いますが、せっかく出かけて行っているので、ダメ元で話しかけてみるのはいいでしょう。

また、プロダクトに興味がある人は向こうから話しかけてきます。

 

ちなみに、賑やかしのノベルティなどは「ゴミになる」と言って興味があるサービスのものしか貰わない人が多いので(笑)、英語表記の名刺を持って行ってサービス名入りのTシャツなどを着ていればOKです。

 

そんなわけで、いろんな国のいろんな仕事をやっている人と話してみると、ヨーロッパ市場を獲るにはどんなものが必要か、などが見えてきます。

やっぱり百聞は一見に如かず、ですね。

 

Web Summit は本当にスタートアップという挑戦やテクノロジーに対するリスペクトに溢れていて、その空気感がとても良かったです。

日本でビジネス向けWebサービスを作っていると結構孤独なものですが、同じことで頑張っている人がこんなにいるんだ、と思えたのもすごく良かったです。

 

ダブリンの良さ

Web Summit 自体は来年からポルトガルの首都・リスボンで開催されるそうなので(ダブリンはキャパオーバーらしいです笑)、来年以降参加される方には参考にならないのですが、ダブリンの街もすごく良かったので、情報を簡単にまとめます。

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宿と飛行機

  • 宿は Air BnB を使ってみました。一泊1万円弱でそこそこの部屋が借りられます。ホテルだと寝るだけですが、Air BnB だとホストとお喋りできるので楽しいです
  • エアチケットはエミレーツの格安チケットで約8万円
  • トランジット込みで20-30時間はかかります。覚悟しましょう! 行きはしんどいですが、帰りは慣れているのでなんとかなります(笑)

 

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気候や街の様子など

  • 11月の気候は意外にも日本より暖かい。長袖とジャケットで十分なくらい
  • 地震がないせいで、町並みが古くてとにかくカッコいい建物が多いです
  • 17時頃には日が暮れるので、20時台には深夜気分。アイルランド人がお酒好きな理由がよく分かります(笑)
  • アイルランド人は少し気難しそうで話しかけづらいけど、話すとみんな優しい。困っていると助けてくれます
  • 裏道も入ってみたけど、基本的な治安は良さそう。ただ物乞いが寄ってくるのでびっくりするときも(危害を加えられる感じはありませんが)
  • 屋内完全禁煙の副作用か、歩きタバコが一般的。ただ、風の通りがいいのでそれほど気にならない
  • 信号があまりアテにならないので、信号無視は当たり前。車の運転は若干荒めなので気をつけて
  • 物価は日本と同じぐらいか、それよりも少し高いくらい。贅沢しなければ一日5000円以内で済みます(ほぼどこでもクレジットカードが使えます)

 

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食事とお酒

  • 食事はハムやソーセージなどの加工肉、牛肉、野菜とじゃがいもを使ったものがメイン。どれもすごく美味しいけど、バリエーションが少ないので長く滞在すると飽きるかも
  • アイルランドと言えば、ギネスとウィスキー! ギネスは美味しいですが、案外ドラフトビールの生もとても美味しいです。ウィスキーは高級品で、現地の人はもっぱらビールです
  • 朝ごはんは街中のSUBWAY的なサンドイッチ屋さんがオススメ。安くて美味しくて量が多いので、かなりコストパフォーマンスがいいです
  • アイルランドの伝統的な料理、シチューやサーモン、ステーキなどはぜひ一度レストランで楽しんでみてください

 

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質素で地味な感じのお国柄なので、キラキラを求める人には物足りないかもしれませんが、ビールやウィスキーが好きな人にはとてもオススメの観光地です(笑)

現地の人によると、アイルランドの真髄は地方にあるということなので、次行くときはアイルランドを一周してみたいと思います。

 

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で、来年の Web Summit はリスボンですが、「ポルトガルは遠いな〜、ちょっとな〜」という方は、RISE という姉妹イベントが来年5月に香港で開催されるそうなので、そちらに参加してみるのもいいかもしれませんね。

 

Masayoshi Hashimoto

「フロントライン通信」編集長。業務経験は15年を超え、メディアサイトから数千万人規模の会員システムまで、10社で80件以上のプロジェクトのマネジメントを実施。2011年にスタートアップを立ち上げ、多くの人がプロジェクトをより成功できるためのツール「マンモスプロジェクト(Mammoth Project)」を開発。世界中の現場で戦うチームを応援することを人生の使命とする。

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