「プロとしてのコミュニケーション」とは何か(3)- 愛を持って仕事をしよう

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このブログの記事を読んだ知人から、「あれ俺のこと??」と訊かれたりするのですが、違いますよ!

この記事で書いてある例は、たくさんの事例の中で共通した特徴を拾って一般化したものなので、特定の誰かのことではありません

自分でも気をつけないとなー、といつも思っていることを書いているので、そういう意味では自戒を込めて書いています。

 

「これ、自分のことかも??」と思う人は自覚のあるコミュニケーションをしているという証拠でもあるので、そういう人は大丈夫なのだと思います。

変なコミュニケーションして平気な人って、「自分はイケてる」と思ってますからね…

 

さて、今回は「プロとしてのコミュニケーション」の3回目です。前2回では「相手と自分を知ること」、「相手が生きている世界を知ること」について書きました。

今回は、「相手がどんな状況に生きているか」を知る方法について書きます。

 

人は何のためにコミュニケーションをするか

そもそも人は何のためにコミュニケーションをするかというと、「メッセージを伝えるため」です。

当たり前のことですが、これは案外意識されていません。

 

「伝える」ということは、相手が受け取ること(伝わること)でもあるのですが、この部分が抜けていて「言いたいことを言う」とか「流暢に喋る」のがコミュニケーションだと思っているケースが多いのです。

よく「コミュニケーションはキャッチボールだ」と言われますが、自分が投げたいボールを投げていては、相手が受け取れるとは限りません。

 

そういうとき、受け取れない相手の責任にする人も多いですが、それはプロとしてコミュニケーションができているとは言えません。

目的が「言いたいことを言う」のではなく、「よいコミュニケーション」とそれによって成し遂げられる「仕事の成果」にあるのであれば、ちゃんと相手が受け取りやすいボールを投げることが大事なのです。

 

きっとイチローだって、本を読んでいる時に後ろからボールを投げたら、ちゃんと受け取ることはできないでしょう。

コミュニケーションでは、相手が受け取りやすいボールを投げることが大事なのです。

 

相手が置かれた立場を考える

では、どんなボールを投げればいいのか。

そのことを考えるために、前2回の記事では、相手がどんな価値観を持っていてどんな種類の情報を受け取りやすいかを考える方法について書きました。もう一つ重要なのが、「相手が置かれた立場」を考えることです。

人は自分が置かれた立場で、見えるものが変わるのです。

 

「人は権力を持つと自分が正しいと思うようになる」というような心理学的な話もありますが、立場の違いで見えるものが変わるということは、もっとシンプルな例で説明することができます。

例えば、円すい形を見るとき、横や斜めから見るのと、上や下から見るのでは見え方が変わります。

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この場合、「三角」という答えも、「円」という答えも、どちらも正解でも間違いでもありません。「円すい形」であるという正解にたどり着くには、お互いの視点を両方とも取り入れて考える必要があります。

しかし、仮に「三角」という答えを持っている人が社会的な立場が上で、なおかつ当人が「自分の視点が絶対だ」と思い込んでいると、「円」だという視点は押し潰されてしまいます。

「三角」の答えを持っている人は自分の権力欲を満たして一時的に満足するかもしれませんが、現実は円すい形なので、物事を動かすときに失敗してしまいます(そして、三角の人が「なぜ円だと言わなかったんだ!」とキレるケースもよくあります)。

 

「自分はこう見えるけど、相手はどうだろう?」

このことをよく考えるのが、相手の立場を考えるということなのです。

 

人は、過去の人生経験や専門的な知識、社会的な役割(肩書きや職種、会社から与えられたミッションなど)、読んだ本や周囲の人から受けた影響など、様々なものから導かれた「一定の視点」を持って仕事をしています。

この個性のある視点を一つの仕事の中でどれだけ多く確保できるかが、より正しい現実の把握に近づくための「プロとしてのコミュニケーション」の腕の見せどころなのです。

 

よくコミュニケーションをする際に、自分の「常識」や「当たり前」を持ち出すケースがありますが、これをやった時点でプロとしては負けです。

なぜなら、相手の視点から見えるものを得る前に自分の視点を押し付けてしまっているからです。

 

特に日本人同士は、同じ言葉を使い、画一的な教育を受け、全国津々浦々で似たような居住環境で生きているため、「自分が分かっていることは相手も分かっているだろう」というような甘えや思い込みが強い傾向がありますが、実際のところはみんな違う人生を送ってきて、異なる専門性や人生観を持って生きているので、「常識」や「当たり前」というのはあるようで無いのです。

自分の常識は他人にとっては一つの視点に過ぎない。

このことを理解しているかどうかが、コミュニケーションの質を大きく分けるのです。

 

相手がどんな人生を送ってきて、これからどう生きたいと思っているか。その中で、今の仕事はどんな意味を持っていて、そこからどんなことが見えるのか。

仕事の相手に対して、ここまで考えるのは大変なことのように聞こえるかもしれませんが、少しでもこういうことを考えてコミュニケーションをすると、驚くように物事が伝わるようになります。

 

それはちょうど、プレゼントを贈るとき、相手がどんなものをあげるとどんな風に喜ぶかを考えるのと似ています。そこにあるものは、愛と呼んでもいいかもしれません。

 

愛を持ってコミュニケーションをすること。

人と一緒に何かを成し遂げるには、やはりこれが一番大事なのです。

 

Masayoshi Hashimoto

「フロントライン通信」編集長。業務経験は15年を超え、メディアサイトから数千万人規模の会員システムまで、10社で80件以上のプロジェクトのマネジメントを実施。2011年にスタートアップを立ち上げ、多くの人がプロジェクトをより成功できるためのツール「マンモスプロジェクト(Mammoth Project)」を開発。世界中の現場で戦うチームを応援することを人生の使命とする。

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1 Response

  1. 2015/07/17

    […] 次回は「相手がどんな状況に生きているか」についてお話します。 […]

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